おちゃうけ

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東野圭吾『秘密』感想 ネタバレしかない

ここ3週間くらい、今まで読んだことがなかった東野圭吾を読み始めました。

とりあえずドラマや映画で馴染みのあったガリレオシリーズから入り、あと1冊でガリレオシリーズ読破というところ。

図書館に貸出予約入れて待ってる間に、他の作品も読もうと手にしたのが『秘密』でした。

 

あらすじとしては主人公・平介の妻・直子と娘・藻奈美がバスの崖下転落事故にあい、直子が死亡。娘も脳死状態になると思われた。

しかし直子の葬儀の夜、藻奈美が目を覚まし、その後藻奈美の中身は直子であることが発覚する。

平介と直子はこんなこと誰にも信じてもらえないと思い、2人の秘密にすることにし、平助と小学5年生の娘の身体に入った直子と生活を始める。

そうした生活の中で生じる波乱を平介目線で描かれています。

 

衝撃ポイント

以下ネタバレしかない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後らへん、藻奈美の人格が出始めてから直子の人格が消滅し、藻奈美として他の人と結婚すること。

直子はそれを1人で抱えて生きていく決意をしたこと。

↑おそらくこの決断をしたのは、平介が直子に対して藻奈美として接しようと努力したことがきっかけ。

平介が直子だけが別の人生を楽しくやり直しているように感じられ、自分だけが置いてけぼりにされている焦燥感により、過干渉してしまい、関係がギクシャクしてしまっていた。

事故を起こしたバス運転手が前家族に対してとっていた愛ある行動に触発され、藻奈美のためにもやり残しのない人生を送ろうとしていた直子に、ちゃんとやりたいようにやらせようと思い直したのだろう。

結果、藻奈美として接するようにしたが、それを受けて直子は一晩泣きながら、夫のその決意を生かすために本当に藻奈美として生きることを決意したのだと思う。

突然完全に藻奈美になっては、平介の心の準備もできてないし、外の世界でうまくやるのも大変になるので少しずつ進めていったのだろう。本当に直子は完璧すぎる妻だと思った。

最後、これが最後になる日を決めたのも、きちんとお別れをさせてあげるためだったんだろうと思う。

そしてそれからずっと、直子は本当は直子であることを平介に隠し続けた。

 

しかし平介にはバレるわけだけど、結局その後平介がこのことを追求したりしたかはわからない。

たぶんしない。

すれば今までの直子の努力は失われる。

 

序盤で、秘密とは娘の中に妻が入っていることを夫と妻で共有の秘密のことかと思わされるのに、最後には本当は藻奈美の人格は戻らず、いまだ直子のままであることを直子が平介に秘密にしていたことに変わっている。

このタイトルとの兼ね合いも最高でした。

 

あーしんどい……

 

 

あとまあ少し古い作品なのであれですが、平介家事しなすぎて腹立ちました。

バブルの頃からの話なので今の若い子が読んだらびっくりするよ。

妻より先に帰っても飯どうするんだ?としか思わない神経…娘の姿の妻に家事をいくらやらせても当然としか思ってなさそうな態度…

まあ、そんなこと吹き飛ぶくらいの内容でした笑